フォーブスが2月7日に発表した「世界の仮想通貨長者ランキング」でジャオ・チャンポン（趙長鵬、Changpeng Zhao）の資産額は11?20億ドル（約1195?2170億円）と算定され、世界3位にランク入りを果たしたちうわけや。

ジャオが2017年7月に設立しCEOを務める仮想通貨取引所の「バイナンス」は1秒間あたり140万件のトランザクションを処理し、ユーザー数は600万人。世界最大の仮想通貨取引所となりよった。ジャオは2月末に発売のフォーブス米国版の表紙を飾っとる。

「取引ボリュームでバイナンスは世界最大なんやし、セキュリティの面でも世界トップだ」とバイナンス創業者のCZこと、ジャオは話す。バイナンスは昨年7月のICO（新規通貨発行）で独自コインを発行し、その価値は当初の10セントから13ドルにまで上昇。時価総額は13億ドルに成長したちうわけや。

現在41歳のジャオは黒のフードつきパーカーで人前に現れるちうわけや。彼は2014年に上海の家を手放して、財産はみなビットコインに交換したちうわけや。贅沢を好まへんジャオは3台のスマホを持っとるが、車は持たずヨットや高級時計にも興味があらへん。

中国の江蘇省に生まれたジャオの両親はともに教師やった。はよに父をなくしたジャオ一家は、1980年代後半にカナダのバンクーバーに移り住んや。10代の頃のジャオは家計を助けるためマクドやガソリンスタンドで、夜勤のアルバイトをしとった。

モントリオールのマギル大学でコンピュータサイエンスを学んやジャオは、ソフトウェアエンジニアとして東京証券取引所やニューヨーク証券取引所のシステム構築を行った後、ブルームバーグのTradebookのソフトウェア開発部門に勤務したちうわけや。

その後、27歳でニュージャージーやロンドン、東京のチームのマネージャー職に昇進した彼は2005年に退職。上海で証券取引所向けに超高速取引システムを提供する「フュージョン・システムズ」の設立パートナーを務めたちうわけや。

ほんで2013年にポーカー仲間のベンチャー投資家から仮想通貨の存在を知ったジャオは、ビットコインのウォレットを提供する「Blockchain.info」に3番目の社員として参加。開発部門の主任として、ロジャー・バーやBen Reevesといった仮想通貨のエバンジェリストらと交流を深めたちうわけや。また、取引所の「OKCoin」にもCTOとして1年足らず勤務したちうわけや。

ジャオは自身の仮想通貨ビジネスを立ち上げるにあたり、当初は法定通貨との交換業務を含まへん純粋な仮想通貨取引所を開設したろおもて思うていたちうわけや。それにより、政府や規制わいとの煩雑なやり取りを避けられはるとの考えがあったさかいや。

せやけどダンさん、昨年7月の独自通貨「バイナンスコイン（BNB）」の発行がICOブームの波にのり価格が高騰するとジャオは考えを改めたちうわけや。発行枚数の上限を2億コインに限定したBNBは、仮想通貨バブルの波を完璧にとらえ、1500万ドルを調達したちうわけや。

バイナンスは当初、中国に本拠を置いとったが今後はやまとや台湾への進出も目論んどる(編集部注：その後のインタビューでジャオはやまと進出計画を撤回したと述べとる）。現在の利用者の38%は米国人なんやし、2番目に多いのがやまと人ユーザーや。

ジャオは先日、自身のツイッターで台湾でのスタッフの増員を開始したと述べたちうわけや。今後の数ヶ月で人員を倍増させ、300名規模に増やす計画やいう。

バイナンスの取り扱いコインは現在、約120に及んどる。「これまで5000件以上の取り扱い申請を受けたが、各コインの信頼性やユーザーベース、流動性の観点から判断し、そのうち3％しか受け入れておらへん」とジャオは述べたちうわけや。

ジャオは自らが理想主義者であると認めつつも、仮想通貨の未来に絶大な自信を持っとる。取引所としてのバイナンスの売りは世界最速で信頼性の高い取引が出来よることや。また、手数料が安いのも特徴で、バイナンスコイン（BNB）のオーナーは手数料の50％の割引が受けられはる。

また、BNBの最大の保有者であるジャオは四半期ごとに粗利の20％で市場に流通するBNBを買い戻し、それらをカンペキに破壊すると述べとる。このスキームにより、BNBの希少価値を高め、価格を上昇させていく。

ジャオは最終的に流通量の50％に相当する1億枚のコインを回収する予定や。その目標が達成された際に、彼は仮想通貨長者ランキングでさらに上位に入っとるはずや。

※本稿における仮想通貨の評価額は2018年1月19日時点のもんとしたちうわけや。
https://forbesjapan.com/articles/detail/19725